「中小企業の海外事業展開」について

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

昨年(2024年)に、中小企業基盤整備機構は、「中小企業の海外展開に関する調査(2024年)」(アンケート調査報告書)を公開しました。

中小企業基盤整備機構「中小企業の海外展開に関する調査(2024年)」の全文は、下記Webサイトに掲載されています。
https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/kaigaitenkai_202403_2_report_C1.pdf 

本調査結果のポイントは、以下の通りです。
●海外展開の状況
・「海外展開を行っている」企業の割合は全体の13.3%
・「予定はある」(2.1%)
・「関心はある」(15.6%)
●海外展開の実施内容
・「海外へ直接輸出している」44.4%
・「海外への直接投資を行っている」(39.8%)
・「海外企業へ生産・販売を委託している」(38.3%)
・「海外向けインターネット通販している」(2.3%)
●海外展開を実現できた要因
・「信頼できる現地パートナーの開拓」(54.9%)
・「製品等の現地市場ニーズへの適合」(33.8%)
・「顧客の開拓」(33.1%)
●海外展開における課題
・「海外事業に対応できる人材がいない」(32.9%)
・「為替変動リスクがある」(32.9%)
・「信頼できる現地パートナーの開拓ができない」(31.9%)
●海外展開に係る今後の経営方針
・「海外への直接輸出を行いたい・増やしたい」が30.0 %
・「海外企業への生産・販売委託を行いたい・増やしたい」(23.2%)
・「海外への間接輸出を行いたい・増やしたい」(20.6%)、など

私は、経営コンサルタントとして、可能な限り多くの中小企業の海外事業展開を支援しようと考え、実施しています。
理由は、国内市場が15歳から64歳までの生産年齢人口激減により、急速に縮小していることによります。中小企業が事業収益の拡大を実現するためには、海外市場開拓・集客が必要と考えることによります。
生産年齢人口は、労働の中核的な担い手として経済と社会保障を支えていると考えられている層であり、言わば日本の中間所得層になります。この市場を支える層が縮小しているのです。
その結果、一般的には、中小企業は競争の激化(限られた市場での差別化の難しさ)に直面し、国内市場だけでは、事業収益の拡大が困難になります。

内閣府が公表しました「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によりますと、国内生産年齢人口が最も大きかったのは、8716万人(1995年)であり、その後減少に転じ、2065年には半分位の4529万人になると推測されています。当該白書は、下記Webサイトに掲載されています。
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/04pdf_index.html 

さて、中小機構の調査結果によると、海外展開を行っている中小企業の割合は、約13%です。
なぜ、現在の中小企業の海外事業展開を行う割合が低いのでしょうか。

一般的に、中小企業が海外に事業を展開する割合が低い主な理由は、人材不足、資金力、情報・ノウハウの欠如といった経営資源の制約にあります。これらが大きな壁となり、多くの企業が海外展開に踏み出せないでいるのが現状です。
2024年に中小企業基盤整備機構が公表した調査でも、海外展開に興味がありながらも実施していない企業が抱える課題として、これらの点が浮き彫りになっています。
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★海外展開を阻む3つの大きな壁
海外進出は中小企業にとって大きな成長の機会ですが、多くの企業が以下のような課題に直面しています。
1. 海外事業を担える人材がいない
最も大きな課題は、グローバル人材の不足です。海外の商習慣や文化を理解し、現地の言語で交渉やマネジメントができる人材の確保は容易ではありません。特に、海外での事業立ち上げや販路開拓の経験を持つ人材は、中小企業にとって獲得が難しいのが実情です。
2. 資金的な余裕がない
海外展開には、市場調査、現地法人の設立、拠点の確保、人材採用、プロモーション活動など、多額の初期投資が必要です。また、事業が軌道に乗るまでの運転資金も欠かせません。国内事業で手一杯の中小企業にとって、この資金的負担とリスクは非常に大きな障壁となります。
3. 情報やノウハウが足りない
海外市場の法律、税制、規制、商習慣といった専門的な情報は、国内にいながらでは入手が困難です。また、信頼できる現地のパートナーを見つけたり、効果的な販売網を構築したりするための具体的なノウハウも不足しがちです。何から手をつけて良いか分からず、計画段階で断念してしまうケースも少なくありません。
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★その他の障壁
上記の3つの大きな壁に加え、以下のような点も中小企業の海外展開を躊躇させる要因となっています。
●リスクへの懸念: 為替変動、政治・経済の不安定さ、文化や言語の違いによるコミュニケーションの問題など、予測が難しいリスクを避けたいと考える経営者は少なくありません。
●国内市場への集中: 国内市場だけで十分に事業が成り立っている場合、あえてリスクを冒してまで海外に目を向ける必要性を感じにくいという側面もあります。

これらの課題を乗り越え、海外展開を成功させるためには、自社の強みを活かせる市場を慎重に選定し、公的機関の支援制度などを積極的に活用しながら、段階的に進めていくことが重要です。経営コンサルタントとして、これらの具体的な課題に対する解決策を提示することが、多くの中小企業の海外展開を後押しする鍵となります。

今後、中小企業の海外事業展開について、順次、本ブログ・コラムで書いていきます。次回では、上記の課題を解決する方法について述べます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本雅暁

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